Published On: 2019.10.29Categories: 古民家の暮らし, 道具

これはいったい何に使うもの?
と父に聞くと
「香筒」(こうづつ)とのこと。
定年退職して木彫り教室に通い、先生に教えてもらって彫ったそうです。
蓋を抜くと、中が空洞になっていて香を入れる仕組みになっています。
蓋の丸い輪っかの部分もよく見ると継ぎ目がありません。組み合わせたのではなくて、1つの木を彫って作っています。
細かい細かい作業です。

こちらは茶合。茶の分量をはかる道具です。木の葉をイメージしています。

裏を見ると、葉の葉脈も丁寧に彫りこまれていました。

一番左は『一文字盆』。煎茶の小さなお茶碗が5つ並ぶ細長い盆。
右の二つは父が遊びで『ペン入れ』にしようと彫ったものです。

最近は煎茶を楽しむ機会があまりないので、他の使い方をして楽しんでいます。
例えば、珈琲の砂糖やミルクを載せたり

カトラリーを並べたり・・・
右の盆には、黒酢や手作りの醤油麹やからしを用意しています。

こちらはまた違った盆に載せて。

木の葉の形のお盆には、急須と湯呑を載せたり

珈琲カップを載せたり

備前焼の徳利とぐい飲みも木彫りのお盆にしっくりします。
そろそろ熱燗の日本酒の美味しい季節ですね。

秋は、父が制作した陶芸の作品に料理を盛り付け、木彫りの作品を使ってインテリアにしたりテーブルコーディネートしたりしています。

こうして父の作品をお客様に楽しんでいただけて、ありがたい気持ちでいっぱいになります。
そして、根気のいる作業を黙々と続けていた父の背中を思い出します。
まだまだまだまだ長生きしてね。