Published On: 2019.10.21Categories: 古民家の暮らし, 道具

数年前に物置で見つけて、妹かめ代と二人で洗って乾かした唐箕(とうみ)。

『創業二百年 最古之歴史 最新之装置』
と書いてあります。父が70年ほど前に買ったものです。

調べてみると唐箕とは
「脱穀した籾を、風の力で、藁屑、軽い籾、重い籾に分ける機械」
だそうです。
まず上部の漏斗(じょうご)から少しずつ穀物を落下させます。

そこにハンドルを回して横から風を送ります。

よく見ると4枚の羽根の板がハンドルと連動して回転するようになっています。

実の詰まった重い籾は、風に煽られずにここから落下します。

↓左側の開口部から、風に煽られて軽い藁屑や実のない籾が飛び出します。

↓この取っ手の角度にすると

上部の漏斗の底に隙間が開き

↓取っ手をこの角度にすると

漏斗の底は閉まります。
つまり漏斗から落下する籾の量を調整する役目があります。

↓これは何かなあ
と反対側を覗いてみると

板と連動しています。板の高さを調整して、風で吹き飛ばされるものの分別をしているようです。
より高くすれば、本当に軽いものだけ吹き飛ばされる仕組みかな。
選別するものの種類によっても微妙に使い分けていたのでしょう。

ハンドルを回転させる速さ、
漏斗の開口の大きさ、
落下させる速さ、
板の高さ
などを調整することで思うような分別が可能です。
仕組みはとても原始的です。

調べてみると現在でも同じ仕組みの手動の穀物選別機が売られていました!!
画像はお借りしています

唐箕は、1684年の『会津農書』という本で紹介されているそうで、300年以上前から現代まで使われていることに驚きました。
昔の人の色褪せない知恵に触れて、なんだかわくわくしました。原始的で新しい『唐箕』です。

唐箕の上では『恵比寿様・大黒天様』が静かに座っておられます。

じっとお顔を見ていると、「五穀豊穣」への強い祈りを感じます。