Published On: 2020.06.21Categories: 古民家再生, 部屋のしつらえ

梅雨の合間の緑は、雨に洗われてことのほか美しく、
風鈴の涼やかな音色と相まって、静かさが際立ちます。

この「庭を楽しめる部屋」(仏間)は、
もともとは↓こんな殺風景な部屋でした。
(北向きの様子)
before

リフォーム後は
↓明るくなりました!!

テーブルクロスとテーブルライナーをセットで使ったり
(テーブルランナーの記録はこちら→着物や帯を簡単リメイク

襖を変えたり・・・
(襖リメイクの記録はこちら→100年前の襖に命を吹き込んで
after

 

季節によって小物を変えるだけでも、お部屋のイメージは随分変わります。

写真の上の部分に写っている「書」ですが
『家に伝ふる これ至誠』と書いてあります。
『至誠』とは「この上なく誠実なこと。まごころ。」

実は先日両親の写真を整理していると、二人の結婚式の写真にこの書が写っていてびっくり!
それもまったく同じ場所で。
もしかすると、この家が建てられた頃からこの場所に掛けられていたのかもしれません。

家に伝わる「この上なく誠実であれ」という言葉。
実が引き締まる思いです。

テーブルの下は掘りごたつにリフォーム。
大工さんに箱型に作ってもらって、電気屋さんにコンセントをつけてもらって、一畳用のホットカーペットを敷いています。

実は私が採寸して大工さんにその通りに作ってもらったのですが、
私の採寸間違いで、思ったより深くなってしまったので(涙)
底にもろぶたを置いて底上げしています💧

テーブルの色も私が塗ったので、ムラが・・・
この上に天板を置くつもりだったので、見えないはずが、
テーブルが少し高め(これも私のミス!)だったので、このままで使うことに・・・

失敗しながらのリフォームです(笑)

↓角度を変えてダイニングから見た掘りごたつの部屋。
冬のしつらえです。

↓こちらは同じ場所から
2年前の夏。
今年も、簾をかけて涼し気な夏のしつらえにする季節になりました。

掘りごたつから北東を見た写真です。
右上にある「書」は

『強くして誠』

強くそして誠実に
それもこの上なく誠実に。

そうありたいと願っているけれど
近づいたと思ったら遠ざかり・・・

未熟な自分にはいつまでたっても辿り着くことのできない境地のようにも感じます。

でもこつこつと家の手入れを続けているうちに、
(それでいい。それでいい。)
と家(ご先祖様?)が私を温かく包んでくれているような気がしてきました。

家の手入れをし始めて、

『障子1枚で寒かっただろうな。
台所のくどの上は窓が開いてて、雪が降りこんできたって信じられない。
井戸に籠をつるして冷蔵庫代りにするなんて賢い!
昔はヘビが住んでたって、お~怖い。
山の木を切って炭にして火鉢で暖をとる生活、究極のエコだな。
風鈴にうちわ、ござを敷いてお昼寝、気持ちよさそう。』
などなど

過去に営まれた様々な場面を想像する機会が増えました。

目の前に存在するものだけでなく、過去から今に続く時間をも大切にすることが、今の自分を認め愛おしむことに繋がるような気がしています。

今日は柄にもなく語ってしまいました(笑)

仏間で書を見て、静かに雨上がりの庭を眺めていたせいかもしれません。