秋の夜長。
思い立って父の趣味の陶芸の写真を整理しました。
父が作った壺に、母が秋の花を活けた写真。
じっと見ていると、昨年の秋の出来事が蘇ってきました。
その日は生前整理の講座がある日でした。
準備を整えて、スーツに着替えて最後の確認作業をしていると・・・。
電話が鳴ります。
母からです。
「あっこ、お父さんがいなくなった!!」
「家にも畑にもいないんよ。」
私
「大変。また山に行ってるんだわ~。」
すわ、一大事!!
すぐに着かえて、山へ走ります。
運動不足がたたって、ぜえぜえ。
思うように足が前に出ません。
自分としては全速力。
はたから見ると、歩いているようにしか見えないかも💦
「じっちゃ~ん!!」
と叫んでも、父は耳が悪いので聞こえません。
とにかく見つけるしかありません。
いつもいる所を探してもいません。
どこかで転んで頭を打っていたらどうしよう。
ご近所さんに電話して一緒に探してもらおうか。
焦ります。。。
けもの道のような、道とはいえないような所を這い上ると、動けなくなった父がいました。
良かったあ~。
毎回見つける度に、ほっとして身体の力が抜けます。
父は登ることはできても、下りることができずに固まっていました。
年を取るにしたがって、高所恐怖症になったみたいです。
若い頃から「わしは山で死にたい」と言っていたぐらい、
山が大好きで毎日木や竹を切ったり運んだり。
だから
勝手知ったる山で動けなくなるってつらいだろうな。
と思います。
ゆっくりゆっくり父のペースに合わせて山を下りました。
母に任せるまでは、父ににっこり笑顔を振りまいていた私ですが、
母に託した途端、一気に真顔に。
パワー全開!!(たいしたパワーはありませんが・・・)
転がるように家に帰り、大慌てで着替えて汗を拭いて・・・。
滑り込みセーフ!!
無事に講座に間に合いました。
ちょっと息が切れてたかも💦
1時間前に準備を完了しておいて良かったあ~
と胸をなでおろしました。
足腰は丈夫だけれど、認知症が進んで目が離せなかった昨年の今頃。
しょっちゅうご近所さんにも探していただきました。
時には大騒ぎで探して・・・結局家にいた。
なんてことも。
デンジャラスな毎日。
でも、朗らかな父との会話は楽しくて。
私「じっちゃん、鼻毛も切ろうな。」
父「鼻毛は愛嬌よ~♡。」
鼻毛を切っている私をまじまじと見て
父「あっこは、目があるかないかわからんくらい小さいのお~。」
私「もう~!そんなこと言っちゃあいけんのんよ。(笑)」
父「ほうか!そんなことは言うちゃあいけんのんか??」
ワッハッハー!!
二人で謎の大爆笑!!
今は目が見えにくく足腰も弱って、自分一人では外に出なくなりました。
探し回ることはなくなったけれど、やっぱり寂しいです。
写真を整理することで、
一日一日の大切さをひしひしと感じた
秋の夜長です。
9月10月の「生前整理・片づけ収納講座」
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