(↑父が作った壺です)
世の中はクリスマスですね。
クリスマスと言えば贈り物。
子供たちはサンタさんを心待ちにしている事でしょうね。
私は「贈り物」というと、いつも思い出す父のエピソードがあります。
実際に見たわけではないのに、心にじーんと残っています。
(↑5歳の頃の父)
父の10代の初めの頃は戦時中で、
父は予科練に志願する前に、勤労奉仕で働きに行っていました。
真面目な父のこと。
一生懸命働いたのだと思います。
そして1週間に1度だけ、ご褒美でひと粒の小さな飴玉が支給されました。
父は2週間食べずにとっておいて、
2粒になったら2人の弟たちにあげていたそうです。
甘いものが貴重だった時代。
さぞ弟たちは喜んだことでしょう。
その姿を見ながら満足そうに笑っている父の笑顔がうかんできます。
父は1粒も食べていないのだけど、そんなことは知らない弟たちは
「兄ちゃんは飴玉もらえていいなあ~。」
って言っていたそうです。
まだ13歳か14歳の子供だった父です。
自分も食べたかっただろうに。。。
でも自分が食べるよりも、弟たちが喜ぶ顔を見るのが嬉しかったのでしょう。
そして70年の月日が経って、父はデーサービスに行くことになります。
父がデーサービスから帰ると、ポケットにお菓子が1個いつも入っています。
「陽ちゃん(母)が食べんさい。」
とデーサービスで出たお菓子を、自分は食べずに持って帰ります。
さらに月日が経って、認知症が進むと
デーサービスでおやつがでた時に、目の前にいる職員さんを陽ちゃんと間違えて
「陽ちゃんが食べんさい♡」
と職員さんに手渡したそうです。
職員さんは
「本当に優しいですねえ。」
と嬉しそうに話してくださいました。。
(↑元気なころの父)
普段もちょっと御馳走があると、いつも
「あっこが全部食べんさいよ。わしはええけえ~。」
と言って何とか私に食べさせようとします。
そうやって食べさせておいて、私の顔を見る度に
「ほっぺが丸いわ。よう肥えとる!!」
「何をそんなに食べたん?」
と聞く父です(笑)
私が
「丸々してて可愛いでしょう?」
と聞くと
「うんうん。元気そうでええよええよ。」
可愛いとは言いません。。。
正直者です(笑)
みんなでケーキを食べる時
「わしは最後でええけえ、みんな好きなの選びんしゃい。」
とにこにこしながら言います。
みんなが選んだあと、必ず残るのはチョコレートケーキ。
「わしは残ったのでええよ。」
って言いながら、美味しそうにチョコレートケーキを食べます。
じっちゃんがチョコレートケーキが好きだから、
みんな選ばずに残してるんだけど・・・
気づいてないみたいです(笑)
美味しい物を自分は食べなくても
大切な人が美味しい美味しいと言って食べる姿を見るのが
父の喜びなのだと思います。
成長期の食べたい盛りに食べられずひもじい思いをした経験が、
大切な人には、そんな思いをさせたくないという気持ちにつながるのかな。
もうすぐ、父の93歳の誕生日。
少し前コロナに感染して、とても心配したのですが、
無事に誕生日を祝えることがありがたいです。
今年も無償の愛に感謝しながら、できるだけたくさん話をしたいと思っています。
お互いに生きているうちに想いを伝えあう
これも生前整理だと思っています。
今年はコロナや介護で
「ももとせ」の講座も「山の薫りのおもてなし 楓花」のランチ営業も思うようにできなかったのですが、
「再開を待ってます♡」と温かい言葉をいただいて、心からありがたく感謝の気持ちでいっぱいです。
来年もゆっくりのペースになると思いますが、心を込めておもてなししたいと思っています。
どうかよいお年を。
いずれ春永に・・・。
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